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ママイヤなパパイヤ。

ハイタイ!島ナイチャー嫁のイハヨシコです。ここのところ毎回のようにしつこく沖縄の庭は"完食できる"とちょっとおおげさにお話していますが、またまたしちゃいますよ。今回はパパイヤ。これがまた結構どこの家の庭や空き地でも見かけるのです。もちろん若ダンナの実家の庭にもちゃーんと自生しています。でもパパイヤにはいい思い出がないんですよね~。幼い頃、夏になると家(東京の実家)にはお中元がたくさん送られてきて、果物やお菓子、ジュースが毎日食べ放題で楽しかったのですが、ある日母から「高級なフルーツが来たわよ」といわれ、果物ジョーグゥーな私はルンルン♪な気分で箱を開けると、「ギャーッ!」といってすぐさま鼻をつまんでしまいました。あのパパイヤ特有の香りがプーンッと襲ってきたのです。35~40年程前まだ沖縄が日本に復帰するかしないかぐらいの時の話なのでたぶん輸入物だったと思います。パパイヤやマンゴーみたいないわゆるトロピカルフルーツなんて町の果物屋さんにはなく高嶺の花。(当然切り方もレモンをかけると美味しいという食べ方もあまり知られていなかったと思います。)とはいえ、子供にはそんな高級感などまったく理解できず、独特の香りとネトッとした食感はNO!でした。

そんなママイヤなパパイヤでしたが、沖縄に来てママスキになるような衝撃的な出会いがありました。いつも通り「パパヤー持ってくか?」と義父が話す手の中には、パパイヤとは別の青い実がありました。(「パパヤー」とはウチナーグチで「パパイヤ」のこと。他に八重山では「マンジュマイ」、宮古では「マンジュウ」と呼ぶようです。)「それは何?」「これはパ・パ・イ・ヤ」「はっ?」「沖縄では、シリシリーして炒めて食べるんだよ。これは黄色に熟す前のもの」。

「え~、熟してないフルーツを炒めて食べるの?」

幼い時のあの「プーンッ」と香ったパパイヤから時間が止まっていた私は、完全に「パパイヤ=南国フルーツ=デザート」と思い込んでいたので義父の言ってる意味がよくわかりませんでした。で、自宅に帰って調べてみると、熟す前のパパイヤを青パパイヤとか野菜パパイヤと呼んで、昔から野菜として調理して食べていたとのこと。野菜からフルーツへ変身するパパイヤ。本当に沖縄の食材には驚かされることがいっぱいですね。さて定番メニューは、「パパイヤイリチー(またはパパイヤシリシリー)」というシーチキン缶を使った炒め物。「これなら私にもできる!」と思い、若ダンナにアドバイスをもらいながら調理を開始。しかしこれがまた結構難しい。熟していないだけあってまず実が硬く、皮を剥いて切るのもひと苦労。切ってみると中は果肉も種も真っ白、あの独特の香りもなく無臭。「本当に美味しいのかしら?よくわからないけどー」と不安になりながらフライパンで炒めること約5分。でもなかなか火が通らない。その頃はまだシリシリーの道具が我が家にはなく、包丁で千切りをしたせいか、少し厚めになっていたからかもしれません。そこで水を少し入れて炒め煮のようにしよう!と思ったのが間違いで、出来上がったものはべチャッと水っぽくなり大失敗に終わりました。(「シリシリー」とはウチナーグチで「する」という意味。おろし器みたいなもので沖縄のホームセンターなどのキッチン用品売り場には必ず置いてある。"にんじんシリシリー"という我が家のウーマク姫=「ウーマク」とはウチナーグチで「やんちゃ」という意味。つまり私の娘=も好きな沖縄の定番の炒め物にも使います。)

パパイヤイリチーはシンプルな料理だけに炒め方が成否を左右するため、最初は失敗続きでした。しかし味はGOOD!ごはんのおかずにピッタリです。それにパパイヤの味が淡白なので、いろいろな味付けが可能。ただしたくさん下ごしらえする時には必ずゴム手袋をしてくださいね。パパイヤにはパパイン酵素というたんぱく質分解酵素が含まれているので、素手で長時間触っていると手肌に影響が出ます。この効果を利用してセール品の安くて硬い肉と一緒に炒めると、お肉が軟らかくジューシーなるのでお試しを!サラダなどで食べるとパパイン酵素のほか、身体に滋養な酵素を摂取できるので最近では健康食材としても注目されています。生で食べる時は塩をふって流水にさらしてアク抜きをしてくださいね。また沖縄ではパパイヤを食べると産後の母乳がよく出るといわれ、昔から母親が食してきました。ほんとにママスキなパパイヤなんです!

さて話は戻りますが、沖縄の庭にはほんとうにたくさんの野菜や果物がなるもんだと感心します。若ダンナ曰く「鳥が実を食べて糞で落としていくからだよ」とのこと。これってとても当たり前で自然なことだけど、都会の生活では忘れかけていたことかもしれません。鳥が運ぶ...そういえばこの間うちのウーマク姫がこんなことをつぶやいていたっけ。「こうのとりさんは、わたしとおなじように、うちにあかちゃんをはこんできてくれるかな?」と...。果物の種のように運んできてくれるといいけど、我が家のべランドはちょっと狭すぎるから無理かなー。パパイヤの用意はできてるんだけどね。

イハヨシコ

島ナイチャー嫁がはまった“沖縄ヌチグスイ生活”
イハヨシコ
イハヨシコ=フードからコスメ、生き方まで“ライト・ナチュラル”をモットーに、肩ひじ張らない命薬(ぬちぐすい)アイデアを実践&提案。食べたらすぐに調味料の種類がわかる、レシピ代わりの超高感度の舌が自慢。なぎいろカンパニー代表、琉球フレンチ・フュージョン「東道BAR & Dining」オーナー、クリエイティブプロデューサー、コピーライター、沖縄食材スペシャリスト、ハーブコーディネーター、華道師範。

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