特集

VIVA! ハルサー ハルサーは畑で働く人の方言名です。

楽しく元気な沖縄の農家さんをたずねて巡るVIVA!!ハルサー皆さんに代わっていろんな話をあれこれ聞いちゃいます。

那覇市の新崎實さん

新崎實さん
新崎實さん
基本情報
名前 新崎實さん
場所 那覇市
作物 鏡水大根
農家歴 8年

那覇市の新崎實さん。定年退職後に先祖の地であった旧鏡水の鏡水大根を復活させようと、試験栽培に取り組んでいる。今年で8年目。どうして復活させようと思ったのですかと伺うと「地元鏡水の人ですら鏡水大根を知らなかったり、知っていても食べたことがない人がほとんど。地元の大根をもっとみんなに食べてほしいと思ったんです」と言います。鏡水地域の地域の成り立ちなども興味を持ち、笑顔でお話してくれる新崎さんからは鏡水への深い愛情を感じることができます。

定年退職後に先祖の地、旧鏡水の鏡水大根を復活させようと取り組んでいる

どっしりとした鏡水大根

旧小禄村鏡水地域が鏡水大根発祥の地。現在は、那覇市近郊で育てられています。鏡水地域近辺はもともと土地がやせていて、農業には適していなかった場所だと言われています。そんな荒地のような場所に、鏡水の人々は日々、堆肥をまき土壌改良を行いました。そこに形も大きく立派で、食味も甘い鏡水大根が収穫できるようになったのは、鏡水地域の人々の努力のたまものなのです。その名前に「鏡水」という地名をつけたことからも、鏡水大根はただの大根ではなく、地元の誇りとも言える大根だということがわかります。

普通の大根と太さを比べるとこんなに違う
普通の大根と太さを比べるとこんなに違う

ハルサーさんにインタビュー!

ミネラル豊富な土作り

「鏡水大根には海風のミネラル分が大事」と言う新崎さんは、土作りの際、瀬長島から海水を運んできて畑にまくのだそう。そうすることによって、土にミネラル分が入り、結果鏡水大根が大きく育ち、虫もつきにくいように感じるのだそうです。また新崎さんは有機栽培にこだわっています。雨が降りすぎても乾燥しすぎてもだめな鏡水大根は、天候によって出来が大きく左右されます。そのため1本1本の状況を見極めることが重要です。

鏡水大根はとっても繊細
鏡水大根ってどんな味?

実はかぶのようなきめ細やかさ。
甘みがあってみずみずしい食感が特徴です。漬物などに加工されます。また味が染み込みやすいため、汁物や煮物によくあいます。

すくすく育ったいんげん
オススメの食べ方教えてください!

地元の女性部では浅漬けや、ドラゴンフルーツ漬けなど様々な漬物も作られています。また新崎さんおすすめの食べ方は、カガンジデークニのポン酢和え。スライスして塩もみをし、ポン酢をかけるだけ。生の一番の特徴は歯ごたえ。表面は滑らかでもしゃきしゃきとしたしっかりとした歯ごたえがさわやかで、これからの時期にぴったりの簡単メニューです。

おつまみにもぴったり

ライター後記

一度沖縄で栽培が途絶えてしまった鏡水大根(カガンジデークニー)。しかし現在は鏡水大根を広く知ってもらう取り組みも行われ、新崎さんも農産学習授業での講演会などにも積極的に参加しています。こうした取り組みと、昔と変わらない鏡水の気概を持った新崎さんらのたゆまない生産努力によって、鏡水大根がさらに普及し、沖縄中に広がっていくと感じました。

新崎實さん

取材日:2011.02.14