コラム おいしい沖縄

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目からウロコ!仰天のフルーツ天国・その2 「アセロラ」

目からウロコ!仰天のフルーツ天国・その2 「アセロラ」

ハイタイ!島ナイチャー嫁のイハヨシコです。私には5歳になる娘がおりまして、まぁこれがまた私と同じ"果物ジョーグゥー"なんです。娘が生まれる前は若ダンナの実家の庭(以前お話したとおり、ほぼ完食できる果樹園!)や畑の果物は、私がひとり占めしていたのに最近は娘に主導権を奪われ、オコボレをもらう程度に...。その娘、沖縄の自然がた~くさんあるのびのび環境で育ったせいか、本当にたくましく、スギちゃんもびっくりの「ワイルドだぜ~!!」な女の子なんです。というのも、物心のついた頃からじぃーじ&ばぁーばが道端の木になっている桑の実やヤマモモをもぎ取ってはその場で食べさせていたので(私としては洗ってからにしてほしいんですけどね...ブツブツ)、何か実を発見すると「これ食べられるかな?」と言って集めてくる始末。娘が先か野鳥が先かぐらいのフルーツセンサーがビンビン!まぁ、もぎたてフルーツは美味しいですからね~。」

最近では庭のどの実が食べることができて、どれが食べ頃かも見分けられるようになった娘。そんな娘の一番のお気に入りは、アセロラ。小さな手のひらにこぼれんばかりに赤い実を摘み取ってきては、「パク...チュッチュッチュー」(←アセロラは見た目はさくらんぼにそっくりだけれど、種子は丸くなく星型を複雑にしたようなシワがたくさん入った食べにくい形なので「パクッ、ペッ」とはいかず食べるのにちょっとばかり時間がかかる)。そんな小さな実に悪戦苦闘している姿を微笑ましく見ながら、「そういえばアセロラの清涼飲料水は有名だけど、果実を見たのも食べたのも沖縄に来て初めて」とふと思いました。

夏、美ら海水族館の帰りに立ち寄った本部町のとある売店でその謎は解明できました。アセロラの赤いのぼりがいっぱいのお店に入ってみると、そこは"アセロラの国"。アセロラジュースにジャムやゼリー、お菓子、冷凍の実やピューレ、そしてそして生のアセロラが売ってるじゃないですかっ!近くにいた笑顔のまぶしい店員さんに聞くと「アセロラは日持ちしないんですよ。せいぜい冷蔵庫で2~3日。だから収穫後すぐに冷凍保存して加工品にして販売しているんです」。そうなんだ!つまり生の果実を見たり食べたりできるのは、結構貴重な体験ってことなのね~(ちょっと上機嫌♪)。さらに「アセロラのビタミンCはレモンの約34倍もあって、1粒で約レモン5個分にもなるんです」とさすがアセロラに詳しい店員さん。と思っていたら、帰宅して名刺をよく見るとその方は農業生産法人 ㈲アセローラフレッシュ 代表取締役 並里哲子さんだったのです(わぁすごい人だったんだ...)。アセローラフレッシュさんは本部町内で収穫されたアセロラを集めて商品化し、本部町の特産品づくりのために頑張っています。ちなみに本部町ではアセロラのことを愛称をこめて「アセローラ」と呼ぶそうです。つまりアセローラ国のアセローラ女王とお話させていただいたんですね(光栄です)。

さて他のフルーツを圧倒する大量のビタミンCはどこからやってくるのでしょうか?アセロラにはシミを作りにくくするビタミンCの他、身体のサビ(=活性酸素)を除去することで有名なポリフェノールも含まれ、このポリフェノールにはメラニン生成の抑制効果もあり!さらに娘が苦労していた種子のエキスにも強い抗酸化作用があることが発見されています。すなわちアセローラはビタミンCとポリフェノールが一緒に働く"美肌フルーツ"ってこと。そしてこの二つの物質、沖縄の強い紫外線が作り出しているんです。え~?ちょっとワケがわからない。美肌の敵(紫外線)が美肌の味方(ビタミンCやポリフェノール)を作るってこと?そうなんです。植物は強い紫外線から身を守るため、体内で大量にそれらの物質を合成し、生命を維持する機能をもっているんです。沖縄の食文化研究でも、過酷な自然環境で栽培される作物は、抗酸化物質等を多く含み、それが沖縄の長寿の秘訣の一つと言われています。

沖縄の食材ってやっぱりスゴイんだ、じぃーじの作る野菜や果物を家族にたくさん食べさせてあげよう、私の分のフルーツも娘にあげようと決心しながら、今日も家の中で走り回る我が家のウーマクなアセローラ姫を見て、素直に思えない鏡の中のダメな母親なのでした。(ウーマクとは「やんちゃ」という意味のウチナーグチ)

イハヨシコ

2012/06/25