コラム おいしい沖縄

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ハルサー泣かせの○○

ハルサー泣かせの○○

ハイタイ!島ナイチャー嫁のイハヨシコです。いつもは沖縄の食材、旬の野菜や果物についてお話していますが、今回はうちなー台風についてお話しますね。

沖縄は温暖でかつ太陽に恵まれている気候なので色々な種類の野菜や果物が一年中元気に育ち、毎日の食卓を賑わせてくれます。しかし夏期などは日照りが続き過ぎて困ることもあります。これは人間も同じ。そのため沖縄の家の屋根には必ずと言っていい程、貯水タンクがあるんです。よくマンションの上にあるものと同じものがコンクリート造の一戸建ての家々についています。本土ではそんな住宅街の景色は見たことがなかったので、始めは不思議でした。しかし話を聞くと、最近こそはありませんが、若ダンナが小さい頃は雨が降らない日が続き水源が枯渇し、給水制限が度々あったとのこと。海に囲まれた沖縄にとって雨はほんとうに貴重な天からの恵みなのです。だから毎夏襲ってくる台風も"ある程度"歓迎します。(結構みんな台風でも平気で外出して買い物に出かけたりして、ウチナーンチュは台風に慣れているんですよ!)台風の雨も水不足を解消してくれるので夏には来てもらわなくてはならない存在でもあります。しかし"ある程度"の台風であって度を超すとそれはそれは大惨事になってしまいます。

よくニュースで流れる台風被害は土砂崩れ、家屋の倒壊、電気や交通などのインフラの停止などの被害報告が多いのですが、その後のことはあまり報道されません。沖縄の畑人(ハルサー=農家さん)にとってはその後が大変なのです。それは塩害。沖縄は小さな島なので普段でも風が島を通り抜けていきます(島風=シマカジといいます)が、台風の場合、風が海水を運び、大地に降らせてしまうのです。そのため植物が塩でやられてしまいます。今年は台風の当たり年ともいえる程、2~3週間に一度のペースで定期的に来ました。特に一番最近来た台風は久しぶりに大型で島全体に海水を撒いた状態になってしまい、農作物の被害は尋常ではありません。バナナやパパイアなど木が根こそぎ倒れたり、大切に育てた収穫前の野菜も吹き飛ばされ、葉は枯れてしまいました。私の小さなガーデニングの花や木も一度は立ち直ったのですが、また塩をかけられ、ほとんどが枯れてしまいました。それでも今一生懸命新芽を出そうと頑張っているところです。うるま市の義父の畑にも行ってみましたが、畑が土だけのまっさらな状態。「また一からやり直しだな...」といいながらハウスの破れたネットを一針一針手作業で縫う姿を見て、何だか悲しくなり、農業の大変さを改めて感じました。それでもあきらめず、土を耕し、島にんにくの苗を孫(私の娘)といっしょにひとつひとつ植えはじめた畑人の義父。「大きくなりますように」と手を合わせる孫の姿に義父の心が少しでも和らいでくれたら、と思うばかりです。(こんな姿を見ると我がウーマク娘も天使に見えてしまいます!)今年はもう大きな台風が来ませんように、早くうちなー野菜でお料理ができますように。私も心から祈っています。

イハヨシコ

2012/10/23