コラム おいしい沖縄

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目からウロコ!仰天のフルーツ天国・その3 「マンゴー」

目からウロコ!仰天のフルーツ天国・その3 「マンゴー」

ハイタイ!島ナイチャー嫁のイハヨシコです。みなさん、首里城を見たことがありますか?沖縄に来た方なら一度は首里城を見学されているんじゃないかなーと思います。20年程前私の初沖縄も首里城でしたよ。といっても復元された首里城正殿の撮影の仕事で滞在時間はわずか5~6時間、それも首里城オンリーで天気は曇り...。降り注ぐ太陽に青い海、きらめく砂浜、なんていうオキナワンリゾートは一切楽しめず、一人淋しく東京に戻った記憶があります。(ちなみに今年は首里城公園開園20周年ということで記念特別展を開催中。貴重な美術工芸品や復元品なども見ることができます。ぜひ足を運んでくださいね。)その首里城、初めて見た時は「パッ」と目が覚める鮮やかさ、コントラストの大胆さに圧倒されました。モノトーン系の本土のお城とは全く違う華麗な色彩感は強烈なインパクト。晴れていたら沖縄の太陽の光にもっと映えただろうな、と思いました。特にあの朱色。(日本で唯一の赤い城だそうです!)天然の漆を使い、職人によって丁寧に塗られた漆工芸の巨大な作品。その美しさに思わず触れてみたくなりますが、漆にかぶれやすい方はご注意を。漆アレルギーの方は、沖縄に来たら首里城とマンゴーにお気をつけてください。

「え?何でマンゴーがでてくるの?」

はい、首里城が沖縄を代表する観光スポットとしたら、マンゴーは沖縄を代表するフルーツ。というのは事実ですが、その関係ではなくて、実はマンゴーはウルシ科の植物なんです。だから漆アレルギーの方、マンゴーは要注意です。以前私が地産地消コーディネーターとして勤務していた産直市場にもマンゴーを食べることはもちろん触ることもできない女性がいました。7月15日はマンゴーの日なのでマンゴー祭りでは試食用のマンゴーを数十個切らなければならないのですが、彼女は避難していました。(切るのは大変だったけれど試食の試食ができる特権付き。マンゴージョーグゥーな私は買って出た役ですが...。)

どんな果物でもウェルカムな果物ジョーグゥーな私ですが、たぶんマンゴーは世界で一番愛してやまない果物かもしれません。それも沖縄のマンゴー。沖縄に来るまでは、食べてもあまり気にも留めなかったのですが、こちらに来て義父が作る完熟マンゴーを食べてからは、もう病みつき。ギリギリまで樹上で完熟させるため、その芳醇な香り、濃厚な甘み、とろけるような果肉ときたらサイコー!(神様、漆アレルギーではなかったことに感謝します。)また豊富な種類があることも知り、味や時期によってそれぞれのマンゴーを楽しむこともできます。甘い香りで一般的に人気が高い「アーウィン」、緑色で大ぶりの「キーツ」、程よい酸味で女性に人気の「コウリュウ」などなど、我が家の夏は毎日がマンゴー祭り。でもこの美味しさは沖縄だからこそなのかな、と思います。

マンゴーは熱帯アジア原産で北緯30度~南緯30度で栽培され、生育適温は22~30℃、太陽の強い光が大好きな樹木です。(冬季は5℃以上ないと枯死してしまうけど、温暖すぎると花芽がつきにくいという栽培の難しさも!)沖縄は北緯24~26度に位置し、こうした条件が揃っているため露地栽培が可能。But露地栽培といってもマンゴーは強風にあおられたり、受粉時に雨にうたれたりするのはご法度なため、ビニールハウス内で栽培をしなければなりません。一般的な国産マンゴーはここで暖房を焚いて温度を高くします("加温"といいます)が、沖縄はその加温の必要はなく自然な環境でじっくりと成長させることができ(気温の高さとその日数の絶妙な組み合わせが美味しさを作ると以前栽培指導員の方から聞きました)、またアーウィンの赤色の元となるアントシアニン(抗酸化物質の一つ)は強い太陽光が必須ですが、それも申し分なくクリア!ということで沖縄は極上マンゴーを作るのにとってもい~さぁ(「○○さぁ」はウチナーグチ)。

さて極上マンゴーをさらに美味しく食べるには、まず食べ頃サインを見逃さないこと。共通点は果実をもって少し軟らかい感じになって、皮にワックス状のようなベトベトな感じが出てきたらOKです。よく知られている赤いアーウィンは、完熟になると自ら枝から落ちて農家さんに「ワタシ、美味しくなりましたよ」と自己主張してくれるので、すでに食べ頃になっている場合が多いですが、硬いようなら室温に置いて追熟させてください。キーツは、アーウィンと違って収穫後に追熟させて食べるので追熟に時間がかかる場合があります。その時はリンゴなどエチレンガスを出す果物と一緒にポリ袋に入れて追熟させると、短期間で軟らかくなりますよ。切り方は魚の三枚おろしの要領で!種は平べったいので種の左右ギリギリで縦に切って、二枚の果肉は皮をつけたまま皮を切らないように果肉だけサイノメに切って皮を下にしてお皿に盛りつけます。これがマンゴーのポピュラーな切り方ですが、皮を剥いて適当な大きさに切って召し上がってもいただいてもいいですよ。もちろん種のまわりに付いている果肉もそぎ落として。あとこれはマンゴージョーグゥーのポピュラーな食べ方かどうかはわかりませんが、最後はキッチンでこっそり種をしゃぶる!我が家にはもう一人ライバルのマンゴージョーグゥーがいるため、これが私の至福のひとときなのです。ウーマク娘さん、どうか私の味覚に似ないでください。お願いします。

イハヨシコ

2012/07/23