コラム おいしい沖縄

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暑い夏ははずせない沖縄ぜんざい

暑い夏ははずせない沖縄ぜんざい

暑~い沖縄で、夏の楽しみではずせないのが「ぜんざい」。沖縄のぜんざいは、すでにご存知の方も多いと思いますが本土のぜんざいとは随分違っています。
まず豆ですが、小豆ではなく金時豆を使うのがスタンダード。煮上げるときに加える砂糖は白糖でもいいのですが、黒糖をつかうとより一層コクが増します。しかし黒糖を使って甘すぎるかと思いきや、甘さの加減はどちらかというとあっさり目、豆のうま味がでているところが特徴です。そしてその甘く煮た金時豆上にカキ氷を乗せるのが沖縄のぜんざいです。沖縄ぜんざいは冷たいぜんざいなのです。

ぜんざいは、「ぜんざい屋」と言うぜんざいを売りにしている店のほか、食堂やパーラー、そば屋などで食べることができます。ぜんざいは庶民のおやつで、夏の暑いときにほっと一息つける冷たいおやつとして親しまれてきました。
そんな沖縄ぜんざいの歴史はといえば、今の形になったのは戦後なのだそうです。以前は緑豆を使ってつくられていたものが、戦後の物資不足のときに緑豆が手に入らず金時豆に変わったらしいのです。そのため、沖縄ぜんざいといっても、昔ながらの緑豆でぜんざいを作っているお店や、「あまがし」とよばれるものと同じく、押麦をいれている店や、小豆をつかってぜんざいを作っているところなどもあります。
ぜんざいの楽しみといえば、中にはいっている白玉もはずせませんが、沖縄ぜんざいも例外ではなく、たいていのぜんざいの中に1、2個入っているので、見つけたときは嬉しいものです。

暑い夏ははずせない沖縄ぜんざい

ところで、かき氷を乗せて食べる沖縄ぜんざい。かき氷といえば、ガラスの器に入ってくるのが定番です。でも沖縄ぜんざいはガラスの器というより、お椀のほうがよく似合います。
学校の近くにある学生がよく通う昔からのぜんざい屋など、お椀に入って出てくるところが多いのです。お椀を使う理由はよくわかりませんが、もともとの温かいぜんざいがお椀に入っていたからなのでしょうか。

しかし、このお椀のぜんざいはなかなかよく考えられています。お椀は熱が伝わりにくので氷がなかなか溶けません。これは暑い沖縄では結構重要なポイントです。
部活帰りに、沖縄そばとぜんざいを注文して食べた経験のある人も多いと思います。お椀に入ってでてくるぜんざいは、ちょっぴりレトロ感もあって懐かしく温かな感じがします。

暑い夏ははずせない沖縄ぜんざい

そんな沖縄ぜんざいも時代とともに進化しています。いつでもぜんざいを食べたいと思う人のために、スーパーでは冷凍したぜんざいがスチロールのカップに入れて売られています。
レトルトパックのぜんざいもあり、こちらは豆だけなので家でかき氷を乗せて食べます。一年中食べたいときにぜんざいが食べられるようになってきたのです。

今年の夏は沖縄の夏を味わうために、沖縄ぜんざい作りに挑戦してみるのもいいかもですね。

福田 芽久美

2011/03/15