コラム おいしい沖縄

コラム おいしい沖縄

沖縄コンビニを知りつくせ

沖縄コンビニを知りつくせ

いわく沖縄のコンビニはスライド式自動ドアしかない。
いわく沖縄のコンビニではおにぎりを必ず「温めますか?」と聞く。
いわく沖縄のコンビニでおつりをもらうときはスタッフが両手を添えてくれる。その時のスタッフが美人だったりするとポーっとする。などなど。
沖縄コンビニにまつわる噂話は数々あれど、最強ともいえるのが地域限定商品の多さではないでしょうか。

全国チェーンのコンビニは、それぞれ地域の特性を活かした展開をしているようですが、おみやげ物も含め、県内コンビニでは「沖縄限定」という商品が多いのが特徴です。
コンビニ大手の沖縄ファミリーマートとローソン沖縄は県内にも多くの店舗をもっていますが、限定商品の開発に熱心に取り組んでいます。

お弁当やおにぎり類に関しては、ほぼ半数近くが沖縄バージョンで占められているという話。だいたい3、4ヶ月かけて新商品を開発しているそうですが、全国の中でも特の食文化の違いが目立つ沖縄、地元の人に愛されるお弁当作りは必須のようです。

なかでもお弁当作りで苦労するところは食材の確保だとか。ゴーヤーなど一年中人気のある食材をどう確保するか、また人気のある食材だけど生産数のすくない作物の確保をどうするかなど、商品開発の悩みはつきないようです。

それでも県産の食材をなるべく使いたいという思いは変わらず、生産数の少ないものに関しては期間限定で発売したりして沖縄メニューを作り出しているとのこと。

地元の食材を積極的に使用するのはもちろんのこと、商品開発も地元とコラボでやってしまおうという熱心な沖縄コンビニ。県内各大学と企画したお弁当や、農林高校とコラボした商品など、思わず手にとってみたくなる商品の開発にも余念がありません。

沖縄コンビニを知りつくせ

そんな沖縄バージョンの商品の中でのヒット作はというと、沖縄ファミリーマートのポークや卵を使った、いわゆるポーク卵系お弁当。おにぎりもポーク卵系がヒットしているようです。
ローソン沖縄ではタコライスがスタンダードな売り上げをたもっているとか。
油味噌のおにぎりやジューシーのおにぎりなどもコンスタントに人気があるようです。

沖縄バージョンお弁当が豊富に揃っているということで、コンビニは観光客の方にも人気があります。ゴーヤーのお弁当を食べてさんぴん茶を飲み、紅芋のデザートでも食べれば、立派な沖縄料理のフルコース。
「地産地消」を目標のひとつに掲げる沖縄コンビニですが、思わぬところで県外への沖縄食材や料理のPRを担っているようです。

ちなみに冒頭にあげた沖縄コンビニにまつわる噂話。本当なのは「おにぎりを温めますか? と聞く」でした。
本土でも一部の寒い地域では聞くこともあるようですが、例外なくおにぎりに対して「温めますか?」と聞くのは沖縄だけのようです。理由は温めて欲しいというリクエストが多いからなんだそうです。
暑い沖縄で温めてくれとは摩訶不思議なのですがこれも事実のようです。

なぜリクエストする人が多いのか?という疑問は残ったままですが、沖縄コンビニは沖縄の食のワンダーランド。
おにぎりを温めてもらったことがない人は、沖縄で一度お試しあれ。

福田 芽久美

2011/03/16