コラム おいしい沖縄

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すくがらすは几帳面

すくがらすは几帳面

すくがらすをご存知でしょうか?
泡盛を飲む人には良く知られている、酒の肴として有名なすくがらす。
アイゴの稚魚を塩漬けにしたものなんです。
すくがらすは島豆腐に乗せていただくのがおつまみの定番。
小鉢の中に切った豆腐と、その上にすくがらすが3匹、ちょこんと並んで乗っかっているのが実に可愛らしい風情です。
塩味がついているので、しょうゆをかけることなくそのまま豆腐と一緒にいただきます。



すくがらすを使ったお料理がないことはないのですが、この豆腐と一緒のおつまみの印象がつよいからか、ご飯のおかずとして出てくる機会は少ないようです。
海ぶどうやブームにまでなった石垣島のラー油など、全国区になる珍味がある一方、
昔からあって知ってる人も多いのに、何故か思ったほど広まらないというものがあります。
すくがらすなども何故広がらないのか不思議に思う一品です。



たいてい瓶に詰められて売られているのですが、その詰め方がとてもユニーク。普通に入れて売っているものがある一方、すくがらすを一列に几帳面に整列させて詰めているものがあります。
そのあまりの見事さに目を奪われる観光客の方も多く、公設市場周辺で写真に収めた人も多いのではないでしょうか。
これはお店のおばさんたちが、
手作業で一匹一匹並べているのだとか。
なんともすごい技です。


少し残念なのは、お酒のおつまみにも流行りすたりがあるのか、以前ほどスーパーなどで見かけなくなったこと。
今は昔と違って、酒の肴がいっぱいあるからかもしれません。
すくがらす豆腐は、豆腐のおいしさも際立たせます。
島豆腐好きの方にも是非おすすめしたい一品なので是非お試しを。
最後に注意点をひとつ。
すくがらすは背びれにトゲがあります。
だから食べるときは必ず頭の方から口に入れてください。
でないと喉にトゲがひっかかってイガイガしてしまいますよ。
ご注意召され!

福田 芽久美

2012/04/13