コラム おいしい沖縄

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津堅美童人参の島・奮闘記(第2話)

津堅美童人参の島・奮闘記(第2話)

3度目の訪問は、ニンジンの種播まき後連絡を受け、津堅島へ渡りました。
綺麗に耕された畑には、行儀よく列になっているニンジンの双葉が顔を覗かせていました。津堅島の土は、赤茶けた色をしています。赤茶けた土の色と双葉の緑色が交互に線を描いてました。その風景は、畑全体が茶色と緑の絵の具でストライプ柄を描いたキャンパスのようでした。
源古さんが津堅島を一望できる小高い丘へ案内してくれました。そこから見た風景は、島中がストライプのキャンパスになっていてとても感動しました。

綺麗だねぇと独り言をいうと源古さんが『やがて島は、緑のジュウタンが広がるよ。もっと綺麗な景色になるさぁ』と話してくれました。展望台からの風景を満喫した後、津堅島のビーチに連れて行ってくれました。想像通り真っ白な砂浜と透き通る海がそこにあり、津堅島の自然環境は、本島に比べ良い状態にあるのだと感じました。
 「津堅にこんな綺麗なビーチが有るなんて知らなかったよ」と源古さんに伝えると源古さんが話してくれたのが津堅島の農業に対する考え方でした。
ニンジンを通常栽培する場合(一般栽培)、植付前と栽培中に除草剤、殺虫剤、殺菌剤等を合計で6回使用します(対象農産物及び農薬並びに化学肥料の使用基準(県慣行レベル)参考)。
一方、津堅島の農家は農薬を使用しないでニンジンを作っているということです。
そこには、ちゃんとした理由がありました。津堅島は、半農半漁で生計を立てている島で特にもずくの養殖が大きな収入源となっています。もずくは綺麗な海でしか育たない為、陸地で農薬を多様すると海に流れ、もずく養殖に大きなダメージを与えるので畑に農薬を撒かないのだそうです。津堅のニンジンが甘く柔らかく鮮明な色でおいしいと評価が高い理由のひとつとして、津堅島の人が生活をする中で当たり前のように自然環境を考え、環境に優しい農業に取り組んでる事もあの味に繋がってるのかもしれません。

次回は、いよいよ収穫~出荷、店頭に並ぶまでのエピソードをお話します。
つづく



有限会社アグロオーガジャパン
伊佐尚子

2012/06/08